さくら さくら

こんな季節外れにさくらに逢った
もうすぐ貴方と別れた日がくる
この時に

貴方が好きだった薄紅色のさくらは
あれからずっと鈍色に見えていたけど
貴方との再会を待ちわびるように
私は灰色の春をずっと待っていた

貴方の影を追うことが当たり前になって
自分で決めていた最期が近づいていた
もうすぐ 貴方に会えると

望んでいなかった
貴方がいない春も 芽吹きの春も
そこに喜びはなかったから

それなのに 冷たい長雨の中で
季節外れのさくらに逢った

貴方とはまったく違うのに 勝手に重ねて
少し似てると思ってしまった
揺るぎないモノを謳うさくらは
煌めいて見えた
あの日の貴方のように見えて
込み上げてくる 涙が止まらない

きっとこの涙が枯れた後
私の瞳には鮮やかな世界が見えるでしょう
次の春は本当のさくらが見えるでしょう

季節外れのさくら さくら
向き合う勇気と受け入れる覚悟を与えてくれた
今生きる喜びを教えてくれた

さくら さくら

さくら さくら

さくら さくら

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-10

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