レストラン・カウンター

　ヤモリが壁を這う影が見えまして、私、軽く絶叫しました。ヤモリは好きじゃないのです。これは最近の出来事ですがカクテルという飲み物は或る有名なギャングスターが発明したものでして、身体に良いモノではないという事です。あははは。笑っちゃいますね。ところで私の趣味は人間観察というものでして余りヒトには恥じらいなく言える代物ではないと思っております。だって結婚式の席で白いスーツを着けた新郎が「僕の趣味は人間観察です。特に心臓は青に近い色が好きです」とでも言うならばシラケてしまうでしょうね。それで私は個人的にですが自己紹介をする際にはグローバル的な意味と平均的に趣味の紹介を致します。
「ミシンで白髪の人形を作ることです」と。
　サークルの友人数名はまだ、レストランにやってきません。多分、課題のレポートが終わらないのでしょう。13時に集合との事ですが、まだ私しか来ておりません。それに私がこのレストランに到着して17分ほど時間が経っております。私の趣味は人間観察でありますがそれは私の心の中、内部で秘めているだけと先ほど説明しました。そして大学のサークルでは人間観察を行うサークルはヒッソリとありましたが、入部はしませんでした。
　カウンターに座る私は店員に手をあげて呼びました。店員は帽子を深く被り金髪でボサボサの頭。この方はきっと心臓が七つに裂かれていると思い、可哀そうに思ったのでピストルをポケットから取り出して打ち放しました。レストラン内は悲鳴がカアーンとなったけど私はpiano Mannの口笛を吹いた。