妄想写真エッセイ『熊手』
撮影場所:西川理容店
西川理容店の隅っこに置かれている商売繁盛の縁起物の熊手3本。本来ならば習わしとして、前年の熊手は神社へ納め、燃やしてもらってお清めした後に次の年に向けてまた新たに熊手を求める、ということになっているそうである。
しかし、僕の父は前年どころか前々年の熊手までストックしており、縁起も何もなさそうな店の端っこに、野球選手か誰かのサイン色紙と一緒に置いているのである。しかもすべて同じデザイン。縁起物はストックするべきものではない。けれどもここまで来たのならこのまま同じデザインの熊手を集めてほしい。10本くらい溜まれば、何かが起こるかもしれない。あるいは何も起こらないかもしれない。Who knows?
妄想写真エッセイ『熊手』