つよくなりたい

つよくなりたい

夏だからアイスを食べたい。いちご味で、ピンク色で、かわいいアイス。そんなもの食べると体が冷えて風邪ひくよって言われるから、余計に食べたい。おなかを芯から冷やすプチ自分いじめ。ODなんかはとがめられても、アイスの食べ過ぎじゃバカって笑われるだけだし。体だけじゃなくて、頭も冷やしてくれたらうれしいな。究極の冷静は、きっとこころを動かさない。
少女的とかそういうことは、鏡の前では無意味なんだよね。わたしがかわいくないことはとっくの昔に知ってるから。だから何をしたってもはや後付けでしかないわけ。よる ねれない。こういう生理現象だけが自分のすべてってことを理解できればいい、のでしょうか。知らない女の子のツイッターなんかに共感しているうちは、感性ゆたかになったりしてみるけど生きてないよね。夏だから余計にどこにも行く気がない。でもアイスは食べたいって思うから生きてる感じはする。もう少しつよくなれればアイスより温かいものを食べる気になるかな。もう少しつよくなれれば文章も書かなくなるかな。それがかわいいのかどうかはよく分からないけど。なんとなくでいい、つよくないままでつよくなりたい。

つよくなりたい

つよくなりたい

よる ねれない。アイスを食べたい女の子の話です。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-08

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