妄想写真エッセイ『父の足』
撮影場所:西川理容店
床屋は立ち仕事だ。立てなくなったら散髪はできない。しかし父は痛風に苦しんでいる。致命的だ。風が吹くだけで激痛が走るということらしいが、そんな状態でも父は散髪をする。そんな状態でも飼い猫と散歩に出かける。そんな状態でもビールを飲む。タフなのか何なのかよくわからない。父にはよくわからない強さがある。ただアホなだけかもしれないが、それがとても羨ましく感じる時がある。この年代の人たちは本当にタフだ。僕のような若い世代にはないタフさと率直さを兼ね備えている。それを素直に僕はいいなと思う。
妄想写真エッセイ『父の足』