青い飴玉

体内に滞留しているものが静かに、ゆっくりと結晶していく

そうして出来た飴玉をわたしは誰にも、誰にも見せることなく

飽きることなく、口腔内で遊ばせている

そうして誰にも、誰にも見られることのない秘匿物がひとつ、またひとつと生まれては果て、果てては蘇る...

私にしか解らない孤独と、青さと、寂寞がそこにある

私は誰にも、誰にも知られることなく私自身を腐らせていく...

転がすほどに味を濃くしていく幾つもの飴玉が

禍々しい自我を宿し、私自身を転がし始める...

喉の...喉の奥が涸れる、涸れる、涸れる!詞も涸れて伝わらない...

孤独と、青さと、寂寞が綯い交ぜになり、永遠の哀しさが生まれる

巨きな洞の深奥で、私は青い飴玉になる...

誰かが、誰かが来るのをずっと待っていた

私をそのまま取り込んで、私になって哀しんでくれる誰かを

哀しい循環の終りと

正しい循環の始まりを...

青い飴玉

青い飴玉

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-07-07

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