ふりしきる鮮血
直情、激情、昂進、衝動...
深緋の双眸を妖しく耀かせている
俺の裡には何時からか
そんな魂が棲んでいる...
微かな音こそ逃すまい、と
白昼の雑踏に繰り出す時もあれば
暮れの磧でせせらぎを待つ時もある
その魂に憑依された俺は
この際限なくつづく音の洪水から
俺にしか掬いあげる事が出来ない微かな音を
第六感、第七感...と拓かれる感覚を従え
今日も又、捜し歩いている...
ふりしきる鮮血の中で俺は
俺が俺である為の唯一の方法を捜している...
嗚呼、眼裏に秘めた数多の過ちよ
それさえ俺の骨になる...
ふりしきる鮮血