自由律句 15

自由律句 15


あいつの実家KUMONになってた


「ニーゴーパー」この辺の人はあの道路のことをそう呼ぶ


レインコート着た犬の前でずぶ濡れている


駅のホームの草が雨で笑っている


はじめての坂道ではじめての街がある


客はいないが駐車場が埋まっている


小指の爪が長いおっさんを見たら正でカウントしている


独特なくしゃみの人だった


窓際で死んでいる虫たちにも弱冷房


アメリカ人の〝絵文字〟の言い方


遠くの国の展望台で遠くの実家の方角を見る


持ちつ持たれつの持たれつの部分がないままの人でいる

自由律句 15

自由律句 15

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-27

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