狂文

明日は昨日を運ぶおひさまで
鬱は狂気を演じる常人で
昨日に泣く子は明日になれば首を吊る
今日は明日が言うにはお月様
昨日が言うにはおひさまで
歩けば花は歌って、鮮血に彩られたあなたの笑い声は
どこかに飛んでいきました
赤子の踊り子、手首をひねれば笑い声が聞こえるよ
楽しくて、哀しくて
それでも笑って泣いてるよ
貴方の笑顔は私の心臓を割く
偽りの幸せを本物だと謳い
皆同じに真似た笑顔を私に向けるの
命の駆動音が鼓膜を指の腹でなでるように
鼓膜を割く
痛みも衝撃も私にはなくて
魔女と人々は正しい私を火炙りに架して
神様の元へ道を作ってくれるの
私は明日。貴方は月で、私は土。
伸びた腕だけの影の窟は
私を舞台に上げるといっしょに交わるの
柔らかい関節を反対に折り曲げて
異国の文字と声を書き込むと
私も喜んでその国の人になれるの
みんなそうしてる。
みんな関節を曲げて、そこに異国の文字でルールを書き込めば
異国の人達と同じ姿になれるの
心配はしなくていいよ、不安になるけどそんなこともどうでも良くなるから
20歳の誕生日にはみんな同じ
混ざって一緒になって素敵になるの
踊れば明日はいつか当たり前になって昨日は一回だけになるのだから
眠れない夜は明かない明日になってずっと今日のまま
私は私なんかじゃなくてあの子なの
きっと私はあなたであの子も私なの
右手首の血管をちぎれば、貴方と一緒になれるわ
さあそれを今すぐ小指に括り付けて、一生涯の契約よ

狂文

狂文

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-26

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