泡1

ぷくぽこぱちん

人魚姫は 王子と 話すことも 出来ず
憎むことも 出来ず
泡になって 消えた
私は 貴方と 話すことも 出来て
愛し合うことも 出来る
なのに ぱちんと 消える
届く前に 消える

私が 吐き出し た ものは
形が 歪んで あるいは 途中で ぱちんと 消えて
届けたくて 中にあ るもの 全部 吐き出して
苦しく て もがいて
そのま ま 渡したくて 中にあるもの 手で捕まえて
みても 指の 隙間 から すりぬけて

おなじ 言葉を話 し て おなじ ものを見 て
おなじ 想い を かつて は 抱い た
ど うして その まま あ なた に 届かな いの
あな た は 息を してい る の
お願 い お しえて どう か 息 を して

ぱちんと どこかへ 消えてった

泡1

泡1

泡はそのままの形ではいられない

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-26

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