言葉はきだす

暁烏さん。

言葉はきだす

涙とか吐瀉物とか、なんでもいいから吐き出す人。吐瀉物を、わざわざ涙のかたちにする人。詩人と死人の違いがわからないから、文芸には永遠が約束されて、感情もたない僕は、とっても不便だ。ツイッターの短い文章では気持ちが伝わらないと言った先生が、授業で俳句を紹介していた。人間は言語を使うから素晴らしいって言ったお母さんが、泣いてばかりの赤んぼをあやしている。
名詞の一つ一つからはみ出す部分を練り合わせてダダイズムをつくる。ダダイズムからはみ出した部分はダダイズムのしっぽになる。しっぽ切ったらまた生えてくる。残念なことに、人間の脳はダダイズムでできていて、人間の心臓はダダイズムのしっぽでできている。心臓がバクハツしたときに視界ははじめてダダイズムを目にする。しっぽをこねくり回すことが好きなげーじつ家に、芸術なんてわかりません、と僕は言う。すると、げーじつ家は勝手におこったりないたりして、またしっぽをいじくるんだ。「きみを泣かせるものなんて消して見せるよ」とラブソングが歌うから、しっぽを切ろうとすると、逆ギレされて、めんどくさいな、おい。言葉はきだす。舌根だけが疲れてるよ。金輪際しゃべらないから、もう人間やめてもいいか。

言葉はきだす

言葉はきだす

詩人と死人のちがいについて(結局よくわからなかったけど)

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-06-24

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