星斬り
星斬り
激流に託した
驚動の水面に
ガラス細工をひとつ、君と浮かべた
たちまち流れていく
僕らは手を離さない
いつか大人になったら
この海の この海の反対側で
また逢いたい
星が霧に変わる
霧散して消えて逝く
あの燃える命に
何も言葉をかけられない
繋いでたはずの手と手は
感触すらを忘れて
温度さえも残ってはいない
赤いフィルターが嫌いで
君を見失ってしまうから
星の端と端に
僕らはいた
ーーー星斬り
連れ出すことが救済になるのなら
痛みの中身だけ
隠して君には見せない
Slash the stars 分かってるよ
Slash the stars 分かってるから
あの日の僕らを閉じ込めた殻
今、砕いて歩く
今、砕いて進む
「
あの透明な瓶に
何を入れたっけな
」
「
あの小さな器に
誰を託したっけな
」
僕らが産み出した消失点さえも
明け暮れた空からすれば
まるで何もない様で
霧が靡く夜
願い事を預けた流れ星は
その命を懸けて
君を探した
「
あの小さな心に
何を閉じ込めたっけな
」
「
あの透明な心に
誰を入れ込んだっけな
」
ーーー星霧
行き着く先が知らず知らずのうちに
君と繋いだあの海の
端だったとしても
I don't know the stars だからどうした
I don't know the stars それなら一層
僕らを搦める糸で出来た
その繭を斬り伏せて歩く
その繭を斬り伏せて進む
激流に託した
驚動の水面に
ガラス細工をひとつ浮かべて 願い事をした
「また君に出逢えます様に」
「また君を見つけられます様に」
「離れ離れになる世界で」
「再び出逢えます様に」
「その頃にはどうか」
「今の僕らは忘れて」
「また新しい人間として」
出逢えます様に
ーーー心を駆けて、星を斬る
星霧
臆 乱舞 乱舞する
星霧
臆 言葉は色を帯びて届くだろう
星は霧
星の霧
星は一人きり
燃えて死ぬだけの運命だとしても
だけど儚くは逝けない
数多の願い事を託されて輝いてるから
星斬り、君を砕く
君を砕く声は
届いていますか
届いていますか
あの夜空は
僕らが産まれたあの夜空は
今でも 闇を作り出していますか
臆、臆 ひとりだけのリズムで
臆、臆 星を眺めてる
ただ
空を見ていていたくて
ただ
ただ
星を見ていたくて。
星斬り