竜憂
ふいに憧憬が拡散する
夕闇の匂いが
鋭利に突き刺さった
線上の景色には似つかない
あかく透明な天蓋になっている
あなたに穿たれた楔とは
物言えぬ誓約だ
偽物の言葉には色がないから
仄かに放たれる
意味の欠片には
どこか清澄な調べがあるのだろう
なにも問わずに口づけは交わせない
存在の希薄な正しさは
冷ややかな天秤のしもべである
月明りを憂う竜たちも滅ぼされて
夜空は歌う、螺旋状の憂愁を
竜憂
ふいに憧憬が拡散する
夕闇の匂いが
鋭利に突き刺さった
線上の景色には似つかない
あかく透明な天蓋になっている
あなたに穿たれた楔とは
物言えぬ誓約だ
偽物の言葉には色がないから
仄かに放たれる
意味の欠片には
どこか清澄な調べがあるのだろう
なにも問わずに口づけは交わせない
存在の希薄な正しさは
冷ややかな天秤のしもべである
月明りを憂う竜たちも滅ぼされて
夜空は歌う、螺旋状の憂愁を
竜憂