日神ジャスティオージ第2話「その名はジャスティオージ」

地方創聖プロジェクト

  1. 創聖したあとで
  2. ユタカ
  3. 日向国風土記異伝について
  4. 邂逅、イワフネの地
  5. その名はジャスティオージ

創聖したあとで

青年は今日もまた夢を見た。
迫りくる闇のなか、湖畔の近くで異形の者たちと闘っている赤い戦士がいた。
「これは俺じゃないか・・・・・」
夢がさめるころには、それ以外ほとんど覚えていない自分がいた。
一体俺は何ものなんだ?巨大な不安と虚無感がのしかかる日々。
テルヒコは宮崎県に眠る日神アマテラスの力を受ける鏡アマテライザーによって
太陽の神、日神ジャスティオージへと創聖を遂げた。
だが、テルヒコ自身が最も理解できていないことは己の意志そのものであった。
「確かに俺は、創聖した・・・。だがなぜ俺は・・・。」
己がなぜこんな姿になってしまったか、考えども考えどもわからない自分がそこにいた。
この異常さ、自分が何者であるかという気持ちの悪さ。自分の感覚ではすべてが理解できているのに。
自分の右脳ではなく左脳が、とでもいうべきなのだろうか。
頭脳がそれまでの出来事を理解したがらなかった、というよりは理解できなかったのであった。
自分はおかしくなったかと思ったところで実際に目の前に巨像が飛来し自らはそこに融和され
あの『なんかよくわからないモノ』へと変わってしまっていたのである。
考えるより先に行動できている自分がいた。そしてここにいる。
それを肯定して現実としてとらえ行動しなくちゃいけない。
それが自らを知る手掛かりになるのではないかと数日考えた末彼は己の脳を無理矢理納得させるのであった。
「もうなんかちょっとよくわかんないけど、どうでもいいや。どれだけ考えても、結局同じことだからな。」
あまりに現実離れしすぎている状況が起こりすぎてしまうと、人間は驚くほどそれを受け入れられてしまうのか。

ユタカ

テルヒコは地方創聖プロジェクトで働くことになった。
仲間たちの囲まれながら慣れない仕事にあくせくする日々。
その日の帰りに急に目の前に白い巨大な鳥居が現れ、白昼夢を見た。
「誕生日おめでとう。お前はいま産まれたのだ。」
謎の女の声がする。今回は、前回のような凛とした妙齢の女性のものではなく
若干若いかんじの透き通った優しい声。
テルヒコはとくに疑うような気持ちにはこの時なっていなかった。
自分を誘う声は前回に体験していたからだ。
「また俺をいざなう声か。アマテライザーから、声がする・・・。」
「何にも覚えてないでしょう。」
いたずらっ子のようにその声は男の周囲でこだました。
「神域をおかすことができるものはいない。
お前が創聖することができるようになったのも、私がいるから。」
「キミの名前は?」
「私はユタカよ。お前の魂を護る者。そしてお前は必ずやすべての魂を護る者となる。」
「ユタカって・・・・・・・!キミなら何か知ってるんじゃないのか?!いや、わかるぞ。確か・・・。」
「おまえが創聖することは決定事項。このあいだのマガモノどもを見たであろう?」
「あれは、怪神・・・。」
「まあそうともいう。奴らは再びこの世において動き出した。
いままでは目に見えなかったものたち。かつて日本においてもの言う草木、マガツカミたちといわれた地方の怪物よ。」
「俺はやはりそんなものと闘っていたのか。この既視感はなんだ?!もうなんども」
「俺は何十回、何百回と闘ってきた。そう言いたいのだろう?」
「そうだ!この体感の正体は何だ?」
「なら恐れることはないわ。・・・マガツカミは肥前の国や大和、武蔵、山城・・・様々な地方に点在し眠っている。
彼らはいくつかの事績を除いて実体を持ち行動することなどこれまでなかったの。
先日お前が祓い清めたあのマガツカミは純粋な個体ではなかった。闇の力によって半ば強制的に力を与えられ生み出されたもの。
力を与えたものがいるはず・・・・。」
「奴らを産んだより強いヤツがいるのか?!」
闇のなかで蠢く魔物、凶悪な存在が社会に溶け込んでいる映像を幻視してしまうテルヒコ。
間をあけて謎の声の主ユタカは、こうつぶやいた。
「・・・はじまってしまった。魔界に属するモノたちは、完全に現世に溶け込んでいるようね。
もう私たちでは進行を止めることはできなくなっている。あのものたちはこの世において力を持つもの、人より多くを”持っている”者たちの
中に生きているのよ。これはあなたたち人間の力じゃどうにもならないことだわ。」
「それは・・・つまりこういうことか。闇の存在たちは、現世において権力者や支配者に擬態しているということか?」
「そう。ある意味、奴らの”支配は成功している”のよ。」
「人間は奴らからすると家畜そのもの。栄養源だから、簡単に滅びてもらっちゃ困るのよ。
そのために自分にとって邪魔なモノたちを消そうとする。

・・・つまり、大半のマガモノたちは人知れぬところから襲ってくる。」
「奴らとの闘いはいつ終わるんだ?」
「人の心から闇が消えるまで。もしくは光の心が闇に打ち勝つようになるまで。
そうならぬ限り絶対に終わりはありえない。」
「言霊の力を信じなさい。」
「こっことばあ?!そんなもので闘えるのか?!」
「言葉の力を軽んじてはいけないわよ。」
「この国は言霊の幸う国。ことばに霊力は宿り、言葉はまことになる。
それはお前の力になる。」
えぇ・・と驚く青年に、女の声は厳しく、そして優しく告げる。
「疑うな。・・・信じろ。」
「お前の体から溢れる力がお前自身の言葉になってすべてをうち祓うのだ。」
「キミはいったいどこにいるんだ?」
「お前が戦うもう一つの理由、それは私を出すため。今回は・・・かなり目覚めが早いほうよ。
・・・みんながよんでるわ。」
「おい!キミならこの力のことをもっと多く・・・・・・おい!聞こえてるのか?!おーい!」
「オージ・・・・・・・・なかなか素敵な名じゃない。」
「お、おい!きみ!ユタカ・・・・ユタカ―!」
わらったかと思うとその声は消え、何度呼んでも返ってくることはなかった。
だがその声が告げるようにテルヒコは巨大な魔のものたちと闘っていかなければいけない定めにある事
闘いの先に、人間たちの魔の心を清めていかない限りは闘いが終わらないことを
にわかにも知ったのであった。
そんなことも記憶の中にかすんでいったある数日のことである。

日向国風土記異伝について

「あんたそんな力があるんだったら、もういっそのことご当地ヒーローになっちゃえばいいのよ!」
「ほらこれよ。宮崎に来る予定だった役者さんがダメになっちゃって。」
数日前の初戦闘時にひなたは偶然しっかりとテルヒコの姿を見ていた。
彼女が出したチラシには、「地方創生ジャスティスオージ」と書かれたヒーローらしきものが映りこんでいた。
「えっ俺ヒーローやるんですか?」
「こないだのあれはどーみてもそうじゃない。ていうかあんな変なカッコで町をほっつき歩かれて正体がばれでもしたら
あんたどうすんのよ?そんときはそんときかもしれないけど、一応まあ表向きそれで通すってことにしときなさいよ。」
凄まじい豪快な受け入れでそういうことになってしまった。「なんだかな~。でもジャスティスオージって・・・。」
「宮崎は王子発祥地でしょ?神武天皇も、海幸も山幸も。」
「あ、なるほど~。」
「だからオージでいいのよ。宮崎らしくてそのまんまでいいじゃない。」
「いーの。オージで決定!」
「はあ。」
そういうやりとりのつかのま、彼は現在居候になっているひなたの自宅で一冊の書物を渡されるのだった。
「日向国風土記異伝?!異伝ってこんなものあったんですか?」
(ひなたはみずからの運営する団体、地方創生プロジェクトの活動時において
付近の博物館や埋蔵センターのスタッフと共に考古資料の発掘や地域の伝承や
民話、老人たちから伝え聞いた地域のいわれなど、郷土の伝統を保護し継承するための
活動をボランティアで行っていた。プロジェクトの活動はと言えば、基本的には県の援助の元活動している小規模の団体でインターネットを利用した
地域の観光プロモーション動画作成を請け負ったりご当地グルメなどのポータルサイトを
運営したり、地域における環境保護、慈善活動の多くを一手に請け負うなど。県の傘元でそうした事業を長らく続けていたのである。
そんなわけで社協まつりなどがあるとプロジェクトのワゴン車が来ており福祉団体と共に活動していく光景が多く見られた。)
日向国風土記異伝。各地に風土記は数あれど、異伝というものは聞き覚えがなかった。
そんなものが日向国にあったのか。またどうしてかテルヒコ自身の脳裏にも、断片的に考古学の記憶や知識が
ちぎれちぎれのワードや資料のきれっぱしとして残っていた。
「いや・・・異伝なんて聞いたことがない。これ、どこで見つかったものなんですか?ひなたさんしりませんか?」
「大善教授の家よ。」
「だいぜん・・・・・・・・・」
ひなたが口にした言葉、大善という名の男。
海大善(あまだいぜん)。ひなたが旧来より親交があった恩師であり
考古学の世界では、いや近隣住民からもその前衛的すぎる思想や行動が変人と言われていた人物であった。
実際の彼は紳士そのものであったが、学会から距離を置くようになってからを境に研究室に閉じこもり研究に明け暮れるようになり
遺跡や遺構、各地の聖地やほとんど人のいかないような神社まであらゆる場所を徹底的にたどり
”何か”を調べているようだった。彼の残した論文(超古代文明と神武東征)は相当なミラクルを孕んだ文章、学説であるとして
一部の学者たちの間では受けいれられなかった。
そんな大善教授、ひなたがおとづれた数か月前に失踪していたのであった。
彼の自室は大いに散乱していて、散らばった多くの研究資料に古文書、
神代文字と思われる時代特定不能の記号のような謎の文字、得体の知れない生き物の写真、
散らばった資料にかかれている地図に赤ペンでマーキングされている謎の注意書きなどなど。
その中でもひときわ異彩を放っていたのが日向国風土記異伝だった。
基本的にひなたがいうには、正統な日本書紀だとかの記述とはまた違った宮崎県の聖地や神社の裏伝がのっている書物であり、
また既にただの空き地や荒れ地、林になっているような場所でもそこにかつて祠があったとか、とんでもない昔から信仰されていた
歴史に埋没した神がまもっている土地だとか、この場所は神がみの宿る木があるだとか、そんなことの多くを網羅した
集大成のような書物なのだという。だがそれがどういう入手ルートでえられたものなのかは一切ひなたにもわからず、
それこそ大善に直接会って聞いてみなければいけなかった。そしてそんなものがあるにもかかわらずなぜ
学会は大善教授を黙殺し続けたか。謎は深まる。
「宮崎にはもうひとつ裏の伝承がある!それをしることが私の使命なんだって教授は熱くなってたけど。」
その教授がいなくなってしまってからではどうしようもない。また、同タイミングで教授が養子に育てていた孤児のマモルくんという少年も
気持ちが悪いくらいのタイミングで消えていた。「それで、この子(マモルくん)まで・・・・。」
「マモルか・・・・。あの子も、教授と血縁は無かったそうなんだけどね。どうしてあの子もいなくなっちゃったのかしら。」
これは何か怪しい。この間俺がであった生き物もこの一連に関係しているんじゃないだろうか。いやきっとそうだ。関係してるに違いない!
テルヒコは心の中でそう確信した。
「天照伊弉(あまてらいざ)・・・ちょっとすみません。なんですかこれ?!これ、コピーもらえますか?」
テルヒコはその中にあった記述、天照伊弉という書き出しに異常に注目してしまった。
「この鏡・・・それにこの天の磐船ってとこ。ここですよ。ここになにか手がかりがあるかもしれない。」
イワフネという土地に赤ペンでマーキングがしてあるのをテルヒコは強烈な直観と共に見入ってしまう。
ここだ・・・ここしかないぞ・・・・!ここだ!
この時もまたこのあいだのような強烈な直観が襲ってくる。それがここだと告げている。
「いくわよ。イワフネの地に。新岩戸って集落がある山でしょ?」
テルヒコとひなたは荷物をまとめ車を走らせた。

邂逅、イワフネの地

プロジェクトの車を走らせ、ひなたとテルヒコは岩戸地区まで向かっていった。
その途中にある日子神社、岩戸地区などをくぐり山の奥にあるイワフネと言う巨大な岩石を目指してゆく。
高天原において太陽の女神アマテラスが弟スサノヲの乱暴狼藉に怒り身を隠したという天の岩戸伝説。
宮崎県には本来高千穂に存在していることで知られるこのものがたりであるが、そこから遠く離れたこの地にも
岩戸を冠する土地があったのである。なぜこの地にそんな名称の場所があるのだろうか。
テルヒコの関心は完全にそちらにうつっていた。それだけではない。先日のユタカとの出会いが
この事象と重なり、より強い関心に結びついていく。
「日子神社には天孫を祀っているようだが、ここは既に鳥居以外ほとんど林になってるようだ。
ひのもと山も・・・。ほとんどが日にまつわる漢字が使われてる。
高鍋も古くは財部と言った。鹿児島に同名の地域があるが、これも
本来財の日奉部(たからのひまつりべ)と言って
太陽神を崇拝する部民から来た地名だ。
この山村一帯は古代太陽信仰に使われていた場所だったんじゃないのか?」
「先日の鏡のはなしもそうだけど、ひのもと山そのものが神体山だったんじゃないかと私は思っているの。」
「山が・・・ですか?」
「そう。このひのもと山付近には、日置とか日下という地名が乱立するわ。
これも日神崇拝よ。
それだけじゃない・・・。古代の日本人は山そのものを太陽神との接点を持つ巨大な祭祀場として
大切にしてきたという説もあるくらいなの。三輪山なんかがその典型!」
「俺たちがこれからいく山もそうなのかなあ。」
「その山の頂上にある神社も、三輪一族が管理していたものよ。」
「オオタタネコっていう人が・・・・・おっと!危ないわね~。なにあの車。すごいスピードよ。
・・・・・・・・
その神社も・・・アマテラスあるいは大物主でも祀ってるのかしらね。」
「詳しいことは知りませんが、いってみましょう!」
横切っていった黒い車におどろきながら、ひなたは日ごろ彼女が調べていた付近の神社の話を延々とテルヒコにきかせた。
横切っていった車にはほほ笑んだかのようなカラスのマークが描かれていた。
ふたりは車を飛ばし山まで向かった。
登山経験はそう多くはない素人のテルヒコたち。
登山者用のリボンなど見向きもしないで普段は登山者しか行かない山にわけいっていた。
(※山に入るときガイドの方やつけられた目印を無視して進むとかなりの確率で遭難するので良い子は真似しないでね!)
「テルヒコくん、飲み水もってきた?」
「やべっ!忘れた!」
「はあ~?・・・引き返したら1時間はかかりそうね。」
二人は山中の河川の周辺にやってきていた。
「あの者たちは・・・・・・・なるほどなぁあ~。わたしの思っていた通り。
あの男、ぬけぬけとやってきおったわ~!
・・・な~にぃい~?!あの男の近くから三神器の反応があるなど、どうしたことカァア~~~~~!」
クロウ工作員部隊のリーダーであるカラス男は部下の怪神モゾナギンガー(宮崎の方言もぞなぎい=可哀想から生まれた)を率いて
テルヒコたちが目指す山へとやってきていた。
「ごきげんようお二人!」
「あっあんたは・・・!」
「あなたはなに?!」
「ぉおそうだ、挨拶は私からするものだな。私の名は石上(いそのかみ)!海大善教授の研究していた
鏡!古代日本の誇るオーバーテクノロジーでもあるアマテライザーのありかを力づくでおたづねしたい!
いけ!化炎神モゾナギンガー!」
「モゾナギンガー!」
「ま、また怪神が・・・!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・!
「な、なんだこの地震は?!」
山の中にあった磐船が突如として動き出した。
巨大な地響きと共に放たれたその赤い波動はテルヒコの持つアマテライザーに感応しているようだった。
「こ、この衝撃波は・・・!」
「まちがいないわ!磐船の地はすぐそこなのよ!」
一瞬にして磐船から送られた謎のインスピレーションは、テルヒコの脳裏に響き渡った。
「・・・ここは近づいちゃいけない場所じゃないのか・・・。」
そこから一瞬にしてテルヒコはなにかを悟った。
「これは・・・・古代の人々の・・・天から降りてきた船自身のなかに封じ込められた一切の記憶。
すべてが奪われている・・・・?!

アマテライザーは、イワフネが人間たちに、託したものだったんだ!
そして大善教授は・・・・・・・・・じいちゃんはそれを護って・・・!
そのちから、お前たちだけには絶対に、わたしてなるものか!」

「もっもしや貴様ぁ!どこかで見た顔だと思っていたが~大善の孫かぁあ!」
「な、なんという運命のいたずらか~!
・・・確かに似ている!奴によく!
そう言われればうでづくでも手に入れたいものだなあ~!カぁア~~~~!
あれ?!モゾナギンガー!おい!独断行動は許さんぞぉオ?!」
「えぇい!こうなれば冥途の土産に教えてやろう!
貴様は我々組織クロウの重大な計画の一端を垣間見てしまったのだ!ゆえに死なねばならん!」
「こいつら・・・・クロウ・・・・・・・・これがユタカの言っていた、悪しき者たち・・・・!」
「どうとでもいうがいい!我々は世界の秩序を維持しているだけにすぎん!名もなき力もなき男よ!鏡をこちらによこせええ!」
蠢きだす石上の肉体は、たちどころに凶悪な姿のカラス男へと変貌する。
「か・・・・・・・・カラス男ォオオ!」
「カーッカっカっカ!悪魔に魂をうったかいがあった。私もクロウの技術によりようやく怪神になることができた!
そのちから!貴様の五体をバラバラにすることで、じっくりを味あわせてもらおうカア~~~~~~!!」
(恐れるな・・・・・・・・。いくぞ・・・・。)
「・・・・・いくぞ!クロウ!創聖!」
そのときテルヒコの記憶は、倒すべき敵のことについてもう一つ明確な事柄をつげようとしていた。

その名はジャスティオージ

新たな世界を創る聖なるモノの力で再び男はうまれかわっていた。
岩の上に立つその存在は日光を背に受けて怪神たちを前にみずからをこう名乗った。
「日神(にっしん)ジャスティオージ!」
「じゃ、ジャ~スティオ~ジだと?!こないだヨダキングを倒した存在は貴様だったのカア~!」
「クロウ怪神カラス男、そしてモゾナギンガー!この世界に闇をもたらさんとする組織クロウの
所業!この俺が必ず止めてみせる!」
「貴様ぁあ~!我々クロウに喧嘩を吹っ掛けようというのカァア!」
「覚悟しろ!クロウ!」
「正義のヒーロー気取りでいるようだが、その安直さ、必ず後悔させてやろう!」
「カァアーーーーーーーっ!」
「とうっ!」
巨大な黒き羽を広げたカラス男と太陽の光を受けた日神オージは
河川を背に緊迫の攻防(バトル)を始めた。
「おいモゾナギンガー!・・・あのおばちゃんを追っていったか!まあいいだろう!一騎打ちも悪くはないぞ!」
「イワフネ!」
オージが磐船を呼んだ瞬間に、その手元には天から白い光と共に
細長い接近戦用の剣とど派手な盾が出現した。
「アマツガジェット・アポロンソード(十束の剣)!」
「な~!剣だとォオ?!」
カラス男の羽根と剣がぶつかり、攻防はさらに白熱する。
「マガツファング!」
カラスの強靭なカギ爪の威力に対抗するかのように
赤い光と共に新たなアイテムが現れる。「イワトシールド!」
「フンっ!・・・・・・今日はこのへんで見逃してやる!
その名、覚えたぞ!ジャスティオージ!カっカっカっ覚悟しろよ?!
貴様ら下等な一般庶民が我々圧倒的巨大さを誇るクロウに挑むことがどれほど愚劣で愚かなることなのか!
長い時間をかけお前は知ることになるだろう~!あの男、大善のようにな!
次回もまた会おう!カっカっカっカ~!」
飛行形態となって逃げていったカラス男を背にオージはおもいだした。
「クロウめ・・・・・・・!俺が倒すべき敵。
あっひなたさんが!」
「うわ~!」
ひなたはモゾナギンガーに案の定追いかけられていた。
「ニャ~!待つにゃ~!はあはあ・・・。あのおばちゃん思っていたより速いにゃ~!
赤猫なのにもっと速く走れるようにつくれ石上(いそのかみ)!モゾナギンガー!」
モゾナギンガーはひなたを追いかけ山の中を走っていた。
すると気がついた時には人けのある公園付近に繰り出していたのだった。
「ふっふっふっふ・・・!もうここまできたらお前も終わりニャ―!」
「あ、テルヒコくんだ!おーいおーい!」
モゾナギンガーが迫ってきてもはやここまで、というときにオージもひなたの近くに駆け付けていた。
「あ、いた!・・・そこまでだモゾナギンガー!」
「お前の上司はとっくに本部に帰ったぞ!
もうあとは俺とお前だけしかいない!」
「えっマジで?!」
「その通りだ!」
「モゾナギ~!俺の存在をなんだとおもっているんだクロウ宮崎支部は~!」
「お前もまた悪魔に利用されているだけだ!
人々の苦しみに漬け込む哀れな神、化炎神(かえんじん)モゾナギンガー!
魂の坩堝(るつぼ)に帰えれ!日神剣!テラセイバー!」
「救世神技(きゅうせいしんぎ)!サンシャインズストライク!」
「モゾナギンガー!」
モゾナギンガーもオージの手によって祓われ言霊の悪しき力も無力化された。
新たな時代の岩戸は今開かれた。
宮崎の地に現れた日神ジャスティオージ、そして巨大な闇の組織クロウの
果てしない戦い、石上(いそのかみ)とテルヒコの確執、そしてそれぞれの祖先の護り通してきた秘密(なぞ)をかけた
壮大な因果がいまここに動き出すのである!

日神ジャスティオージ第2話「その名はジャスティオージ」

日神ジャスティオージ第2話「その名はジャスティオージ」

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • アクション
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-06-14

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