密室

甘ったるい飴を口の中で砕いていく。
パソコンの駆動音も、エアコンの室外機の音も、空気清浄機の風の音も、この部屋が静止していないことをあらわしていた。
サイダーの泡が水面に届くまでの時間
唇は静かに乾き、開いた傷口から血が溢れた。
外から雨の降る音が聞こえる。
世界がこの部屋だけじゃなくてよかった。

密室

密室

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-11

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