紫煙のひと
禁煙しているから口寂しい。ずっと水を飲んでいないときのようにからからで渇いている。飴を舐めても甘いばかりで渇きを潤してはくれない。あの錆びた銅みたいな、白くくゆる煙をこの肺いっぱいに吸い込んで、肺胞を黒く塗りつぶしたい。だから貴方とのキス、好きよ。まるで高級なフィルターみたいで。
紫煙のひと
禁煙しているから口寂しい。ずっと水を飲んでいないときのようにからからで渇いている。飴を舐めても甘いばかりで渇きを潤してはくれない。あの錆びた銅みたいな、白くくゆる煙をこの肺いっぱいに吸い込んで、肺胞を黒く塗りつぶしたい。だから貴方とのキス、好きよ。まるで高級なフィルターみたいで。
紫煙のひと