未来人Ⅱ

常夜灯の小さな灯りでもだめだ。あれを点けたまま寝ると、起きた時に目が腫れたようだった。きっと、あの僅かな光でさえ、瞼の裏側の太陽を感じる細胞が受容してしまい、そのせいで腫れぼったくなるのだ。明るい場所では眠れない。それは、自分がまだ原始的な動物であると思い知る起床の瞬間であった。

未来人Ⅱ

未来人Ⅱ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-09

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