睡魔と獏

何度も目が覚める夜はそこに獏がいるという。夢ごと睡魔を食っちまうからしっかり眠れないんだと。そんな話を聞いて私は枕元に出てくるであろう獏を待っていた。すると丸々太った獏が出てきたではないか。「やい、睡魔を返せ」言うなり獏は泥の塊の様なものを吐き出した。以来、私は起きられない。

睡魔と獏

睡魔と獏

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-09

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