犯人

腹が膨れ上がった巨大な金魚の死骸を見て、私は青ざめた。酷い魚の臭いが鼻腔に吸い込まれ、こびりつく。吐きそうだ。それが何匹も何匹も死んでいた。赤い腹を上に向けて、地に打ち上げられた様に転がっていた。その死骸の間を私は鼻と口を両手で塞ぎながら歩く。誰が金魚を殺したのか、分かっていた。

犯人

犯人

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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