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都会の駅のホームは人で溢れかえる。にも関わらず、人は縦横無尽にそこを行き来していた。皆それぞれの目的地へ向かって、矢印を頼りに流れを作る。気付けば、私もその中の一人だった。鰯の大群みたいに、同じ方向を向いて、同じ速さで歩いている。それはあまりに不自然で、私は身震いする他なかった。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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