ベール

私にベールは与えられなかった。傷だらけの顔は、戦いの証。他の子は、薄く透ける様な白いベールの中で安心感に包まれているようだった。あるいは、重厚な赤のベールをわざと破いている子もいた。あれはきっと、邪魔だったんだね。それでも、私には羨ましいものだけど。目ばかり鋭くつり上がっていく。

ベール

ベール

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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