寿命

銀河系産のサンマはあまり脂が乗っていない。網の上でうちわを動かすと、皮が黒く焦げて煙が漂い、脂は炭の上に落ちる一方だった。「今年も旬の魚が食べられて嬉しいね」主人は言う。電化製品の声は呑気だった。もう臭いが分かる筈ないのに。皿の上に焦げたサンマを移し、私は5074回目の充電を始めた。

寿命

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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