新芽

芽が出ていた。それは、毟りたくなるほど青く、若い。芽が出ていた。ジョウロで水を撒く。土は芽を育てていた。芽が増えていた。うぶ毛の多い双葉と、つるつるとした本葉は、目を焼きそうな、それは鮮やかな、力強い緑だった。私は愛でていた。こんなにも美しいものを全身で感じていた。芽が出ていた。

新芽

新芽

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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