祖父の名は一美

血の繋がっていなかったじいちゃんが、この時期に死んでしまった。正直、あまり好きではなかった。母は「桜を見ずに死んだから」と桜の香りのする線香をお供えした。けど、じいちゃんはきっとあの満開の桜の養分になったんだと思う。桜並木の中でも、一番美しい桜の樹に、じいちゃんの魂は咲いている。

祖父の名は一美

祖父の名は一美

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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