ヤドカリ

僕の住処は波の音がする。入口は円形、中は高い天井になっていて螺旋状。白塗りの壁は日照りに強く、美しい。僕は住処をその内変える。どんなに良い家でも古くはなるし、僕の成長と合わなくなるからだ。僕が住処に入る時、波が勢いよく出て行く。磯の残り香が空き家の証拠。僕は住処を気に入っている。

ヤドカリ

ヤドカリ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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