月に行きたかった。昔からの夢だった。月は遠かった。階段を一段ずつ組み立てていった。だが、俺が75歳の時に、俺が死んだ。俺の身体は取り残された。階段の一番上の踊り場。俺の死体が、誰にも気付かれずに転がっていた。何世紀か時が流れて、月が来た。引力の関係で、月と俺の作った階段が繋がった。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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