ある惑星の話

リュウグウノツカイに似た生き物が宙を泳いでいた。遠くの方に点々と連なる惑星が、青白く、浮かんでいる。私は透明の釣り糸を垂らしていた。生き物たちはこれには目もくれずに泳いでいる。もうじき、この星は自らを海で包み込むだろう。潮が引くまで私達生き物は一時の仮死状態だ。安心して、死ねる。

ある惑星の話

ある惑星の話

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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