涙の輝き

ある鉱石を特殊な液に浸すと粘土の様に柔らかくなるので、それを掬い上げて彫刻刀で削り出し、完全に硬くなる前に輝く宝石へ仕上げるのが自分の仕事だった。液の確保は容易ではない。工程の中で最も嫌いな作業だった。スラムへ出向く。そこら中、悲しみを抱えている人々だ。すぐに採取用の瓶は潤った。

涙の輝き

涙の輝き

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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