粉雪を編む

ミクロな幾何学模様は一瞬で消滅する。冷気が束ね、編むと、純白の絨毯が一夜にして出来上がった。翌日、その上を朝日の若い光らが素足のまま軽やかに踏み付けて行く。真昼の光は乱暴に歩いたので、絨毯は少し溶けてしまった。少し土に染み入ったようだ。陽が傾く頃には、絨毯は泥と混ざり合っていた。

粉雪を編む

粉雪を編む

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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