囁き

「自分の為に金を使え」ある日そう耳元で囁いたのは悪魔だったか。なんともみすぼらしく醜悪な顔をしていた。普通のOLぽく振舞う私はその雀の涙ほどの給金を毎月細々と蓄え質素に暮らしていた。それは甘い蜜のようにゆっくり垂らされた。うっかり舐めてしまおうものなら、あとは悪魔の言いなりだった。

囁き

囁き

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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