汗をかかされていた

汗をかかされていた。それは私の体液ではないようだった。人形となって愛撫を受けていた。汗をかかされていた。この体は別物だった。感覚が無かった。汗をかかされていた。懐かしい、誰かさんの体臭だけが私を現実へと引き戻す糸口だった。汗をかかされていた。口の中は、もうとっくに干からびていた。

汗をかかされていた

汗をかかされていた

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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