バレエシューズのリボンを解く。柔らかいサテンは鉛の様な重さで足を縛る。足の骨が軋み、筋が千切れてしまっても、爪先に神経を研ぎ澄まさせた。涼しい顔をして踊っていれば、誰も文句は言わない。私の価値は、美しく舞うことだった。それが、私の意志に反していたとしても、踊り続けるしか無いのだ。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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