月が消えた日

どちらの引力が強過ぎたのか、今となっては分からぬ。ただ確実に、己の理性で制御出来ない衝動であった。私と彼女は、引かれ合い、結果見事に彼女の方がひしゃげ、砕け散ったのだ。私は、傍にいた星の海が、まるでゼリーの様に揺れるのを見た。あの星は夜の友を失い、私は美しい恋人を失ったのだった。

月が消えた日

月が消えた日

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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