憎しみと嫌悪という二頭の猟犬で狩猟をしよう。狡猾な飼い主であれば、自在に二頭を獲物へけしかけるだろう。追い詰め、逃がし、翻弄させ、また迫る。その過程を楽しむものだ。そして、牙をたて、爪を刻む。獲物に休む一刻の猶予も与えないものだ。あるのは束の間の救済――と見せかけて、死のみである。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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