粗末

捕まえた妖精は珍しかったので、籠に入れて出さなかった。そして、僕はその翌日に妖精の存在を忘れてしまった。何日も何日も籠に閉じ込めたままだった。ある日、野生の妖精とすれ違い、僕の妖精のことを思い出した。けれど、僕の妖精はミイラのように干からびていて、あの愛らしい面影はもう無かった。

粗末

粗末

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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