奪うと与う
狐を初めて撃った時の感覚を、今でも覚えている。草陰に行くと、子狐が隠れ切れずに転げ出てきた。急所を外され、まだ息のある母にまとわりつき、乳首の位置を探っている。賢い母は子らを守ったのだろう。俺は徐にそれを懐へ詰めた。罪滅ぼしのつもりだったのか。俺が得た物は鉛玉より重い事を知った。
奪うと与う
狐を初めて撃った時の感覚を、今でも覚えている。草陰に行くと、子狐が隠れ切れずに転げ出てきた。急所を外され、まだ息のある母にまとわりつき、乳首の位置を探っている。賢い母は子らを守ったのだろう。俺は徐にそれを懐へ詰めた。罪滅ぼしのつもりだったのか。俺が得た物は鉛玉より重い事を知った。
奪うと与う