アナザー・ライフ ~another・life~
アナザー・ライフ ~another・life~
プロローグ
「はぁ・・・・、はぁ・・・・」
―やっと見つけた・・・!
「・・・!ねぇ、・・・!!」
涙のせいで、目の前が見えなくなっていたせいかもしれないが、血のように
濁った空が目の前にあった。
∽
「ねえ、黎穏」
「ん?なんだよ」
こっちを面倒に振り返ってきた、いつもの幼馴染の顔。
「あのさ、うち、思ったんだけど、うちたちの前世って、なんだったんだろうね?」
「ハァ?お前、どういう意味だよ。お前はアホか」
「!?・・・ひ、ヒドくない!?」
うちは、頭にきて、すぐさま立ってしまった。手を腰にあて、相手を見る。いつものうちの怒り方だ。
「・・・・。うーん。俺は、龍だったな。うん。絶対」
「ハァァァ!?いきなりなんなの?黎穏こそ、バッカじゃないの!?」
「なんだと?俺はこれでも、きちっと考えをまとめた方だぜ?」
「い~や、全然!!うちのほうがまとまっているから!!」
「じゃあ、お前言ってみろよ。まっ、俺の方が・・・」
「うちは、ドラゴンだったね!!!」
思わず黎穏に向かってガッツポーズ。いい気になって黎穏を見てみると、とても呆れていた顔があった。
「やっぱ、お前アホだろ」
∽
「ドラゴンか・・・!うちがそんなだったら、かっこよかったんだろうな・・・」
「ああ。でも、そんなことありえないんだけどな」
黎穏は少し悲しそうな目をして、真っ赤に染まった綺麗な夕日を見上げた。
うちも黎穏につられて、夕日を見上げた。炎のように太陽が優しく包み込んでくれた気がした。
「なぁ。これからの人生、お前はどう生きる?」
「ハァ?」
―黎穏がそんなこと聞くなんて珍しいな・・・。
黎穏は、夕日を見たままだ。
うちは、3分ぐらい考えて答えを導きだした。
「どんな困難でも、そのときそのときでうまく対応して、自分に悔いのない人生を送りたいな」
「お前にしては、よく考えたな」
黎穏が嫌味くさく言ってきた。(いや、本当は嫌味くさく言ったように聞こえただけだが)
「じゃあ、あんたはどう・・・」
「俺は、お前と全く同じことを考えていた」
「えっ・・・?」
「俺たちやっぱ、幼馴染だな」
黎穏がなんか言ったのだろうか。うちには、近くに通ったバイクの騒音で全く聞こえなかった。
「え?何!!?何かいった?」
「いいや。何も言ってねぇ」
その時は何も感じなかったが、今はその言葉になにか、深く意味があったのだろうなって思う。
アナザー・ライフ ~another・life~
こんにちは(´・ω・`)>
燐です☆
この作品は、前から、「何か悲惨な物語を書きたいな・・・」
と思い、早速、書いてみました!
「another・life」。
たのしんでいただけると、嬉しいです(・∀・)
では、また!