満月を海に浮かべて 驟雪 ぼちゃん。――それは、月の重さ分だけ水に潜り、またゆっくりと顔を出した。波の上をぼかぼか揺れながら楽しそうに踊っている。この眩い光は、そこら中を優しく照らす癖に、海中の泡(あぶく)は一つ残らず刺すのだった。 満月を海に浮かべて