迎え

仕事を終え、疲れて家へ帰ると暗い部屋の中から唸り声が聞こえた。咄嗟に息を殺し、耳を欹てる。どうも水槽のポンプの音らしいが家に水槽はない。電気をつけると、ガラス立方体の水槽が居間の机に鎮座していた。その刹那――。僕の帰るべき場所はあそこで、僕は水に溶けた酸素しか吸えないのだと悟った。

迎え

迎え

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted