一つ、色は無に近く
一つ、音も無に近く
一つ、香りさえ無に近い
そういったものが
重宝される時代
命は弱火が肝要とでも
薄く、小さく、微かに揺らめき
盛りを過ぎた桜の花びらとは
大分、似て非なるものだった

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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