儚 驟雪 一つ、色は無に近く一つ、音も無に近く一つ、香りさえ無に近いそういったものが重宝される時代命は弱火が肝要とでも薄く、小さく、微かに揺らめき盛りを過ぎた桜の花びらとは大分、似て非なるものだった 儚