世界の平等を実現するために作られた究極のシステム『管理の神』、通称”MOG”システムの崩壊からおよそ二四年。 システム導入前の世界に逆戻りしてしまったことで増加した、犯罪件数。 秩序を守るために作られた組織『警視庁治安維持課』に所属する捜査官・秋月リゼは、凶悪な犯罪者に立ち向かう。
閉鎖星系の政府軍大艦隊から辛うじて逃げ果せた傭われ軍団だったが、開放機構の協力を失い、作戦は八方塞がりの状況に陥った。政府軍をやり過ごすために潜んだ小惑星帯の中で、マキタたちはバロア帝国軍の超弩級巡宙戦艦デビアスに遭遇する。 皆が訝る中、マキタだけが確信を込めて断言した。「潜入工作員を救いに来たのさ」と。 それは開放機構を内側から分裂に追い込み、政府軍に入り込むことを画策していた裏切り者…。 その正体を知ったエレナの怒りが爆発する。 その頃、アーカム・ソールは着々と、閉鎖星系首都での情報収集を進めていた。 小惑星帯での傭われ軍団の大騒ぎが政府軍を動かした。まだ開放機構の生き残りがいると思わせることに、偶然ながら成功したのだ。僥倖に助けられた形ながら、コイケは主星ラドンの首都タキアスへの降下を決意する…。
「最近、やたらと氷震が多いな。もしかして、また氷山が噴水するんじゃないか」隊長にそう尋ねられた氷質調査班のチーフは、うなずいた。「ええ。有感氷震の間隔がだんだん短くなってきています。大規模な噴水の可能性がありますね。撤収の時期を考えた方が...
メンバーと合流した際に第3のメンバー、オスカー・シュートも拾い、マキタの運命の場所、閉鎖星系ブレイザークロスにやってきたスペースサルベイジャーズ一行は、政府軍の巡回船団を襲う1団と遭遇する。 待ち伏せられ、返り討ちに遭いかけた海賊まがいの1団。しかしそのエースパイロットは、コイケを唸らせ、マキタも舌を巻く程の腕前の持ち主だった。その正体は、戦闘機乗りにはまるで似つかわしくない、少女と言ってもいい、1人の女。 彼女――エレナに先導され、マキタたちは閉鎖星系で唯一、星を開こうと政府に逆らい続けるレジスタンス〈ブレイザークロス開放戦線機構〉の拠点に向かうことになる。
「ねえねえ、六平太、また忍術見せてよ」そうせがんできたのは近所に住む御家人の長男坊、松之介だった。六平太は一瞬自尊心をくすぐられたが、思い直してかぶりを振った。「だめだ、だめだ。忍術は見世物じゃない。それより剣術の稽古をつけてやろう…
大学生活の初日にある女性に一目惚れした青年「堀澤」。彼は一目惚れした相手と仲良くなろうと努めている。しかし、過去に起きたトラウマが脳裏に揺らめき、堀澤を躊躇させ続けた。そんな彼は突然、投影された世界――パラレル・ワールドに迷い込んでしまう。そこには一目惚れをした女性がいて……。 堀澤の中学時代からの友人「高木」。彼はある女性と出会い、友人堀澤の失踪を知る。堀澤の行方を捜すため、高木は歩みをはじめる。淡く翳んだ曖昧の記憶を抱いて。そんな高木の前にある男が現れる。 「虚ろな独り言」「パラレルワールドの静寂」の二つの物語が交差する群像劇。
『君に出会えて良かった。君がボクの存在を認めてくれることで、ボクは大切なものを忘れないでいられる。』 作品のテーマです。 本来、物質であるロボットのオモチャに感情があったとしたら……という所から物語が始まります。 ロボットが色々なことを体験することによって、少しずつ心が成長していきます。 触り程度なので分かりにくいかもしれませんが、発達障害の特性について触れている個所があります。 発達障害の方達=ロボットということではないので、そこは誤解されませんよう、お願いします。
ある日突然、地球上の主要都市の上空に巨大なUFOが出現した。あらゆる通信が妨害され、スクランブル発進した各国の戦闘機は航行不能になって不時着した。いよいよ人類最後の日かと人々が固唾を飲む中、世界中のテレビ画面がジャックされ、各国の言語でメッセージが…
婚約者の玲子から電話があった。会社の帰りに研究所に寄って欲しいと言う。イヤな予感がした。というより、イヤな予感しかしない。それでも、寄らない、という選択肢がないことは、自分でもよくわかっていた。ぼくは小さな出版社で、先端科学関係のライター...
街並みがオフイスビルから住宅地へ移行する辺りの道路。その曲がり角に、清涼飲料水の自動販売機がポツンと一台あった。平日の昼間、そこに軽トラックが横付けし、作業服を着た三人の男が降りた。なぜか作業服には何のロゴもなく、微妙に服のサイズも合っていない...