時はいにしえ、うるわしの真奈(まな)の国。 神のやしろに飼われる少年むめは、国でただひとり、守護神・好文比売命(あやこのむひめのみこと)の乳を受けて育ったみなし子といわれていた。 周囲はむめを生き比売神と崇め、あるいは女神に替わる慰みものとして弄ぶ。むめは鬱屈を抱えたまま、おのれの母を心のどこかで探していた。 少年が自分のアイデンティティを探し求める、平安時代風奇譚。
激動の昭和期。戦前戦中戦後を駆け抜ける若きふたり!(僕のおじいちゃんとおばあちゃん!)本格アナーキズム演劇脚本です。
近隣諸国との衝突が激しさを増す平成二十八年六月。 日本は戦争を始めた。 広島県広島市、警戒区域内に構える印刷会社に努めて六年目、碓氷 聡(うすいさとし)二十六歳は、諸々の面倒事を逃れるべく、同年十一月。辞表を提出する。 蜷川 千鶴(にながわちづる)三十四歳。広島市、警戒区域外にネットカフェ「心の蒼」を構える経営者である。時代の流れは商売の形態を少しずつ変化させ、自身が謳うポーカーフェイスもまた、その変化に戸惑う毎日を過ごしていた。 そんな折、日本全国に普及した薬物を使わない営利睡眠システム「季節の森」を営利目的で利用する聡と、無頓着にもこの装置で運営する千鶴は出会い、運命の歯車は刻々と回り始める。