何もかもあきらめた雨女の少女とわけありな青年の心温まるストーリー
「月」をテーマにオムニバスを綴る予定です。
様々な国をめぐり、ついに唯人は、最後にして最も危険な国、山砦国へと赴く。認めてくれたあの人の、期待に応えたいから。その彼が陥った危機を、唯人はまだ知るよしもない。 4だからして、願わくば1からお読み下さい。
初夏の夕暮れ時、三村の前を老婦人が歩いている。陽射しは緩み、歩きやすい時間帯。
九 午後八時三分から午後八時三十七分四秒まで 酸素ボンベの女
「どうもいかんのう」妖怪博士が呟く。 「出ませんか」妖怪博士付きの編集者もため息をつく。しかし、この問題は最初から無理なのかもしれない。つまり、妖怪がなかなか出ないのだ。