†Cry/シリーズ・零R②† C零お試し短編集。人間は雑種の化け物より弱く、雑種は純血の化け物に疎まれ、純血は人間に関わることに制約のある「宝界」。人間の国と化け物の国で静かな争いが続く中、化け物の子に生まれた少年、人間の王女やお付きの「黒い鳥」、彼らが戦うと決めた縁は? 単独で読めます&零Rは③まであります。
【少年は怒りを日記に綴り、何を思うのか。】 少年はごく普通の小学校三年生。だが、ある時から隣の席の男子に嫌なことをされるようになった。あまりにも理不尽な仕打ちに少年は激しい怒りを覚えながらも、力不足により反撃が通用せず、もどかしい気持ちでいっぱいだった。それならば、せめて隣の席の男子が少年に対して行った数々の悪行を書き残してやろう、ということで、少年は日記を書き始めた。しかし、そうしているうちにも、少年を取り巻く状況はどんどん悪くなり、ついに彼はある決断をすることになる。
『君はただ、君だけを肯定しさえすればいい』 「運命愛、ニーチェの受け売り?」 「いいや、違うさ。ただ、知ってほしくて。運命の人も、親も、親友も、子どもも、君のことをどこまで行っても完全には理解できない。人は人。でもね、君は君なんだ」
高校1年生になった高遠伊織は入学式で留年した1つ上の先輩・佐倉那穂と再開する。中学時代からの顔見知りで、伊織は那穂に密かに想いを寄せていた。想定外の再開から同じクラスになった2人は流れで行動を共にするようになった。普段の生活の中で見え隠れする那穂の留年の秘密を知りたくて伊織は那穂の周りの人物から情報を集める。《完結作品》