十一 時間外の小ネタ
岸田老人はアウトドア派だ。山や野に出るハイカーではなく、町歩きだ。部屋にいないだけのアウトドアで、家のドアのこちら側かあちら側かの違いだ。
そこは何処なのかはおおよそは分かっているのだが、特定しにくい場所にあった。
(私は確かに愛されているのに。) しっとりとした悲恋もの。得られぬ充足感に、目をそらしたのは。