駅前にある皮膚科の病院に、一人の男がやって来た。この暑いのに、今時流行らない山高帽を被っている。何度かためらった後、ドアを開け、受付に名乗った。「あのー、先ほどお電話した畠山です」「どうぞ中へ」 畠山は帽子のまま、診療室に入った…
セールスマンはプラス思考じゃなきゃいけねえ。よく言われるように、靴のセール―スマンが裸足の部族のところに行ったら、大喜びしなきゃいけねえ。おれだって、伊達に銀河を股にかけて商売してるわけじゃねえんだ。大抵の惑星じゃあ、うまいことボロ儲け…
先週異動してきたばかりの新しいパパが、あたしとママに話があるという。明日は友達のミコと遊びに行く約束があるから早く解放して欲しいけど、今度のパパはちょっと理屈っぽいから長くなるかもしれない。 リビングに行くと先にママが来ていて、パパと…
さあ、どうぞどうぞ、お入りください。座るでも寝るでも空中を浮遊するでも、お好きな体勢で。何か飲みますか。液体でも気体でも何でもありますよ。え、水銀。はいどうぞ。ほう、太陽系は今回が始めてですか。出張のついでに、不動産をご購入なさりたいと…
某出版社の文芸雑誌編集部。「編集長、すごい新人を発掘しましたよ!」 興奮を隠し切れない様子で入って来たのは、三十代前半ぐらいのボサボサ頭の男である。 帰り支度をしていた初老の男は、入って来た男を見もせず、ボソリとつぶやいた。「おまえの…
前回のあらすじ:何とか墜落を免れ、中野は小さなアゴラに不時着した。だが、ハングライダーが壊れたため、このままでは帰れない。途方に暮れていると、予想外の救助者が現れ…
前回のあらすじ:ようやく宇宙海賊を捕まえたが、黒田氏も荒川氏も麻痺銃に撃たれ、身動きがとれない。凧で吊るされているオランチュラを助けるため、中野は思い切って…
前回のあらすじ:宇宙海賊の仲間は、意外な人物だった。追い詰められる中野と黒田氏。そこに、ドラード人を引き連れた荒川氏が戻って来た。形勢は二転三転し…
前回のあらすじ:ようやくの思いでホテルグリーンシャトーのあるアゴラに移動した中野だったが、その時、事件が発生する。黒田氏の安否を確認するため、元のリフト乗り場に戻った中野は…
前回のあらすじ:ゴールドラッシュによる混乱を防ぐため、黒田氏は輸出を抑制するべきと言う。ホテルに戻って夫人にも相談することになり、荒川氏は早く移動する方法を提案するが…
前回のあらすじ:黄金に溢れ、肉食獣のいないドラードは創られた世界だった。その裏には凄惨な過去の歴史があるという。そして、森の精霊の正体は…
前回のあらすじ:天狗さまこと、荒川氏がこの惑星に来た経緯が語られた。そして、この惑星にまもなく危機が訪れる可能性があることを中野は知り…
前回のあらすじ:黒田氏と旧知の仲だという天狗さまに招待され、中野も御座所に行くことになった。そこには、この惑星の先住民だという謎の存在、『森の精霊』が…
前回のあらすじ:中野のプレゼントはモフモフに思わぬ結果をもたらした。その後、工房を出たところで、『天狗さま』を探しているという黒田氏と話していると、その本人が…
前回のあらすじ:モフモフの案内で、中野たちは木彫り工房を訪れる。職人のイサクは、すべての作品を歯で齧って作っていた。そこで、金は道具に向かないという話になり…
前回のあらすじ:中野は、ドラードに多大な貢献をしている謎の日本人『天狗さま』に興味をひかれる。パークで昼食を終えた一行は、三班に分かれてオプショナルツアーに行くことになり…
前回のあらすじ:中野はモフモフの案内で、パーク内のカジノへ。そこには、先に到着していた黒田夫妻がいた。夫妻が稼いだドングリを預かった中野は、重さを軽減するため、それを紙幣に換えようとしたが…