野良猫としてのプライドを20ニャン捨て、渾身の猫撫で声で「ぼくおなかへってるんだ。なんかちょうだい」と言ってみたら、小さなカゴを持った少女は僕にそっとマッチ箱を差し出し無邪気に笑ったので、プライド捨てる相手間違えたと激しく後悔した。
絶体絶命の大ピンチ。ピッチャーマウンドに集まった九人に囲まれてオレは家に代々伝わる「勝利のドジョウすくい―金魚すくい編―」を審判に羽交い絞めにされるまで踊り狂った。
《ご主人さま、朝になりました。お目覚めください》 一人暮らしの翔太を起こしに来たのは、愛用している電脳スーツだった。だが、明け方までゲームを楽しんでいた翔太は、とても起きられない。「あと五分」《仕方ありませんね。お休みのままで結構ですので......
日常系のゆる~い話です。 世界も救わない。強くもならない女の子達の低レベルな日常を淡々と綴っていきます。
見た目はごく普通のコンビニだった。その入口の前に立ち、浅井は迷っていた。(変なとこじゃなさそうだけど、時給一万円なんてホントかなあ) 店舗の前面はガラス張りなので、中の様子も見て取れる。ちょうど一人の客が出て行き、店内には、制服を着た......
小説について知識があまりない作者のオリジナル小説。 この話の主人公は少し変わった能力を持つ『フェリース』という名前の女の子が、好きな人の為に頑張るお話です。 じわじわ更新してく式です
本多が残業を終えて会社を出ると、そこは雪国だった。これだけまとまって降るのは何年ぶりだろう、などと感心していたが、すぐに「ああーっ」と呻いた。(しまった、チェーンを用意してこなかったぞ)数日前から天気予報でやかましく言っていたのに、忙しさに紛れ...
星野が同窓会に出席するのは、社会人になって今回が初めてだった。土日が休めない職業に就いたため、転職でもしない限り参加は無理だろうと半ば諦めていたのだが、奇跡的に休みがもらえたのだ。知らされた居酒屋に行ってみると、同級生たちのあまりの変わりように...