五嶋雷斗

五嶋雷斗

「妄想するから、もう、そうすることしか出来ない」そんな輩です

深い森の奥に現れた池。池は、緑なのか青なのかわからないような色を発していて、その輝きに魅入られてしまう。なんだかほっとするような、何か不安感があるような複雑な気分になる。しばらく見惚れていると、このモヤモヤ感を飛ばしたい衝動に駆られ、つい足元にある石を拾い、静かな池の水面に投げていた。投げた石は、水面に刺さり、弾ける水しぶきも緑と青が交じり合い、また水面へと戻っていく。池は、波紋で震え、恐怖と怒りを静かに見せていた。石はそのまま沈み、また、時が巻き戻ったがごとく、池は静まる。投げたのは私ではない。私は投げられた石である。そんな存在だ。

(挿絵を描いてくれる人がいたらいいな)