山吹進之助

東京のホテルに入社後、サイパン島でリゾートホテル、フィリピンのマニラ市でシティホテルの開業準備を手掛け、開業後はそれぞれのホテルで総支配人として働き、20年にわたり多くの異文化、異国人と接してきました。

私の職業は世間でいうホテルマンです。正確には社命を受けて海外に出かけホテルの開業準備室を一人で立ち上げてホテル開業まで漕ぎ着けるという仕事です。そしてその後ホテルでしばらく総支配人として残ります。最初にホテル業界の門を叩いた東京のホテルでは私と年齢が50歳違う明治生まれのワンマン創業者にホテルというか経営のいろはを教育されました。その後、その創業者の命令でサイパン島に飛び開業準備室を立ち上げ、一人二人とスタッフを増やしていきリゾートホテルをオープンします。その後はサイパン島で5年間総支配人を務め、フィリピンのマニラ市に移動となりました。マニラでは500室のシティホテルをオープンさせ、その総支配人を15年間勤めました。在任中は日本から橋本、小渕、小泉の3人の首相がそのホテルに滞在されました。小説を書こうと考えたのは、ホテルの裏話だけでなくホテル創業者との絡み、そしてなにより異国におけるホテル開業にかかわる私が実際に経験した日本ではちょっと考えられない面白い話を世間の人たちに伝えたかったからです。