細内 眞さえ

赤嶺は冒頭から核心に迫った内容で臆する感じもなく話し始めた。「俺は小さい時から父親の虐待にあってきました。ー」ーまるで台本があるかの如く躊躇なく話す赤嶺に、私は少し違和感を覚えた。

某法律事務所でカウンセラー兼事務長として、依頼者と関わった経験があります。依頼者の案件は千人いれば千の物語があるように案件は様々です。カウンセリングを通し気付いたことは、心のあり方が大きく影響されその心に向き合わねば、裁判で決着がついても依頼者の満足度は難しいという事でした。世の中には法律で解決出来ない人や、誰にも相談できずにいる人に、私自身が色々な本によって「気づき」を得て乗り越えられたように、私の経験を活かそうと思ったのが書くきっかけです。